ビジネスフォンの減価償却・耐用年数|会計処理ガイド【2026年度税制改正】

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ビジネスフォン情報メディア編集部

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ビジネスフォンを購入すると、多くの企業で「減価償却」という耳慣れない会計処理が必要になります。主装置・電話機は原則として法定耐用年数6年で複数年に分けて費用化しますが、金額次第では取得した年に全額を経費にできる制度もあります。

特に2026年4月1日以後の取得分からは、少額減価償却資産の特例の対象金額が「30万円未満」から「40万円未満」に拡大されました(令和8年度税制改正)。この改正を反映していない解説記事がまだ多いため、本記事では最新の基準で整理し直します。費用の内訳自体はビジネスフォンの費用相場で解説していますので、あわせて参照してください。

ビジネスフォンの法定耐用年数は6年

ビジネスフォンの主装置・電話機(デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備)は、税法上「器具・備品」の「事務機器、通信機器」区分に分類され、法定耐用年数は6年です。国税庁の耐用年数表に基づく分類で、購入から6年かけて費用化するのが原則になります。

区分法定耐用年数
デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備(主装置・電話機本体)6年
電話設備のうちその他のもの(モジュラーケーブル・電話コード等)10年

主装置と電話機の「本体」が6年、それらをつなぐケーブル・配線材の一部が10年という区分です。ただし後述のとおり、実務上は主装置と電話機端末をまとめて1つの資産として扱うのが一般的なので、まずは「本体一式=6年」と覚えておけば問題ありません。

少額減価償却資産の特例|2026年4月から40万円未満に拡大

法定耐用年数6年で少しずつ費用化する代わりに、一定の条件を満たせば取得した年に全額を経費にできる「少額減価償却資産の特例」があります。この特例が、2026年4月1日以後の取得分から拡充されています。

項目現行(〜2026年3月31日取得分)改正後(2026年4月1日以後取得分)
対象となる取得価額30万円未満40万円未満
年間の即時償却上限額300万円まで300万円まで(変更なし)
対象法人の従業員数要件常時使用従業員数500人以下(特定法人は300人以下)常時使用従業員数400人以下(400人超は対象外)
適用期限令和8年3月31日まで3年延長(令和11年3月31日まで)

つまり、2026年4月以後にビジネスフォン一式を購入する場合、取得価額40万円未満・年間合計300万円までであれば、対象法人の要件を満たす限り、取得した年に全額を経費にできます。5人規模のオンプレ新品(費用相場で解説した目安では25〜50万円)なら、構成次第でこの特例の範囲に収まるケースが出てきます。従業員数要件は「400人以下」に見直されており、対象から外れる法人が出てくる点にも注意してください。資本金要件については、本記事執筆時点で一次情報を確認できていないため記載していません。自社が対象法人にあたるかどうかは、必ず顧問税理士または国税庁の情報でご確認ください。

ビジネスフォンの取得価額と会計処理の判断フロー主装置と電話機端末を合算した取得価額が10万円未満なら消耗品費として全額を経費にできる。 10万円以上40万円未満で、中小企業者等の要件(常時使用従業員数の基準等)を満たす場合は、 少額減価償却資産の特例により年300万円まで即時償却できる(2026年4月1日以後の取得分)。 特例の対象外なら一括償却資産(3年均等)または通常の減価償却を選ぶ。 40万円以上は通常の減価償却で法定耐用年数6年にわたって費用化する。110万円未満消耗品費として、取得した年に全額を経費にできる210万円以上40万円未満・中小企業者等(要件を満たす場合)少額減価償却資産の特例で年300万円まで即時償却(2026年4月以後取得分)310万円以上40万円未満・特例の対象外の場合一括償却資産として3年均等で償却するか、通常の減価償却を選ぶ440万円以上通常の減価償却で、法定耐用年数6年にわたって費用化する主装置と電話機端末は、実務上は合算して1つの単位として取得価額を判定するのが一般的な扱いです。特例の適用要件(従業員数など)は本文で解説しています。適用にあたっては必ず顧問税理士にもご確認ください。
図:ビジネスフォンの取得価額に応じた会計処理の判断フロー。2026年4月1日以後取得分の少額減価償却資産の特例(40万円未満)を反映。

主装置+電話機は合算して1単位で判定する

「電話機だけを分割して1台ずつ10万円未満に抑えれば、消耗品費として処理できるのでは」という質問をよく受けます。しかし、主装置と電話機端末は一体となって初めて内線・外線の機能を果たすため、実務上は取得価額を分割せず、主装置+電話機一式を合算して1つの資産として取得価額を判定するのが一般的な扱いです。

この論点をきちんと解説している競合記事は少なく、電話機を分割して基準額をかいくぐろうとする誤解への回答として重要なポイントです。判定単位の考え方に迷う場合は、契約前に顧問税理士へ確認しておくと安全です。

購入・リース・レンタル・クラウドPBXの会計処理の違い

ビジネスフォンの導入方法は、購入だけではありません。レンタル vs 購入の比較記事で解説したとおり、リース・レンタル・クラウドPBXでは資産計上の要否そのものが変わります。

導入方式資産計上主な会計処理
購入(一括)必要耐用年数6年で減価償却。少額なら特例で即時償却も可能
リース契約による所有権が業者側に残る契約は賃借料として費用処理するケースが一般的。契約の実態によっては資産計上(オンバランス)が必要な場合もある
レンタル不要月々のレンタル料をそのまま費用(損金)にできる
クラウドPBX不要主装置・電話機を購入しないため、月額利用料を費用処理するだけでよい
購入・リース・レンタル・クラウドPBXの会計処理の違い購入は資産計上して耐用年数6年で減価償却する(少額なら特例で即時償却も可能)。 リースは契約内容により賃借料として費用処理する場合と資産計上する場合があり、会計基準の動向に注意が必要。 レンタルは資産計上が不要で、月々のレンタル料をそのまま費用にできる。 クラウドPBXは主装置・電話機を購入しないため資産計上そのものが不要で、月額利用料を費用処理する。1購入(一括)資産計上して耐用年数6年で減価償却。少額なら特例で即時償却も可能2リース契約内容により賃借料として費用処理、または資産計上(会計基準の動向に注意)3レンタル資産計上は不要。月々のレンタル料をそのまま費用(損金)にできる4クラウドPBX主装置・電話機を購入しないため資産計上が不要。月額利用料を費用処理する例:クラウドPBX「OFFICE PHONE」は月額基本料3,400円〜(公式サイト記載・初期費用は24,800円)。資産計上が発生しない分、経理処理はシンプルになる。金額は公式サイトで必ず最新情報を確認すること。
図:導入方式ごとの会計処理の違い。資産計上の要否と減価償却の要否が方式によって変わる。

クラウドPBXは、そもそも主装置・電話機を「所有」しないため資産計上の議論自体が発生しません。例えばOFFICE PHONEは公式サイトで初期費用24,800円(キャンペーン中は無料)・月額基本料3,400円〜と公表しており、経理処理のシンプルさを重視するなら選択肢に入ります。

なお、企業会計基準委員会(ASBJ)は新しいリース会計基準を公表しており、将来的にリース契約の会計処理がオンバランス化の方向に変わる可能性があります。本記事では適用時期・要件の詳細まで一次情報で確認できていないため、複数年のリース契約を検討する際は、最新の基準を顧問税理士・公認会計士に確認することをおすすめします。

中古ビジネスフォン導入時の耐用年数の計算方法

中古ビジネスフォンを導入する場合、耐用年数は新品と同じ6年ではなく、経過年数に応じて短縮した年数で見積もるのが一般的です。よく用いられる考え方は次の2パターンです。

  1. 法定耐用年数(6年)をすでに全部経過している場合:法定耐用年数×20%
  2. 法定耐用年数の一部だけを経過している場合:(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%

いずれの場合も、計算結果が2年に満たないときは2年とします。例えば6年落ちのビジネスフォンなら「6年×20%=1.2年」で2年未満のため耐用年数は2年、3年落ちなら「(6年−3年)+3年×20%=3.6年」を1年未満切り捨てて耐用年数は3年になります。

この計算式の詳細な法令上の根拠までは本記事では一次情報で確認できていないため、実際の申告に用いる際は顧問税理士に確認してください。あくまで見積もりの考え方として参考にしてください。

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出典・参照情報

本記事で紹介した耐用年数・特例の基準は、以下の公的機関の公表情報をもとにしています。金額基準・適用要件は改正のたびに変わるため、実際の申告前には必ず最新の一次情報を確認してください。

利用者の口コミ

当サイトは、ビジネスフォン・クラウドPBXを実際に導入した企業からの口コミを口コミ投稿フォームで募集しています。出典を確認できた口コミがまだ集まっていないため、この記事には口コミを掲載していません。投稿が集まり次第、企業規模・導入した電話システム・実際に選んだ会計処理(購入/リース/レンタル/クラウドPBX)といった投稿者の属性とあわせて公開します。

よくある質問(FAQ)

Q. ビジネスフォンの法定耐用年数は何年ですか?

A. ビジネスフォンの主装置・電話機(デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備)は、器具・備品のうち「事務機器、通信機器」に区分され、法定耐用年数は6年です。モジュラーケーブルなど、これに該当しない「その他のもの」は10年です。

Q. 主装置と電話機を別々の資産として計上して、それぞれ10万円未満に抑えれば消耗品費で処理できますか?

A. 実務上は、主装置と電話機端末は一体となって初めて機能するため、合算して1つの単位として取得価額を判定するのが一般的な扱いです。電話機を分割して個別に10万円未満に抑えても、消耗品費として処理できるとは限りません。取得価額の判定単位について不安がある場合は、契約前に顧問税理士に確認してください。

Q. 少額減価償却資産の特例(2026年4月以降は40万円未満)は、資本金や従業員数にどんな条件がありますか?自社が対象かどうかの確認方法は?

A. 対象法人の要件のうち、常時使用従業員数については、2026年4月1日以後取得分から400人以下(400人超は対象外)に見直されています(改正前は500人以下、特定法人は300人以下)。資本金要件については本記事では一次情報を確認できていないため記載していません。自社が対象になるかどうかは、顧問税理士または国税庁の情報で必ず確認してください。

Q. 中古のビジネスフォンを購入した場合、耐用年数は何年で計算すればいいですか?具体的な計算式は?

A. 中古資産の耐用年数を見積もる際に一般的に用いられる考え方は、法定耐用年数(6年)を全部経過した中古品なら「法定耐用年数×20%」、一部だけ経過した中古品なら「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」で、いずれも計算結果が2年に満たない場合は2年とするというものです。例えば6年落ちなら6年×20%=1.2年で2年未満のため2年、3年落ちなら(6−3)+3×20%=3.6年を切り捨てて3年になります。本記事では計算式の詳細な法令上の根拠までは一次情報で確認できていないため、実際の適用にあたっては顧問税理士に確認してください。

Q. ビジネスフォンをリースで導入した場合、月々のリース料は全額経費(損金)にできますか?購入との税務上の違いは?

A. 契約内容によって扱いが分かれます。所有権が業者側に残るリース契約では、リース料を賃借料として費用処理できるケースが一般的ですが、契約の実態によっては資産計上(オンバランス)が必要になる場合もあります。購入の場合は資産計上したうえで耐用年数6年で減価償却するのが原則です。契約前に、賃借料処理と資産計上のどちらが適用されるか、契約書の内容をもとに顧問税理士に確認することをおすすめします。

Q. リースからレンタルに乗り換えた場合、経理処理(勘定科目)はどう変わりますか?2027年開始予定の新リース会計基準はビジネスフォンの契約にも影響しますか?

A. レンタルは資産計上をせず、月々のレンタル料をそのまま費用(損金)として処理するのが一般的です。リースから乗り換える場合、資産・減価償却費(またはリース資産)の計上が不要になり、経理処理はシンプルになります。なお、企業会計基準委員会(ASBJ)は新しいリース会計基準を公表しており、将来的にリース契約の会計処理(オンバランス化の方向)が変わる可能性があります。本記事では適用時期・要件の詳細を一次情報で確認できていないため、最新情報は顧問税理士・公認会計士にご確認ください。

契約前に確認したい5つのポイント

ビジネスフォンの会計処理を決める前に、以下の5点を確認してください。

  • 主装置+電話機は合算して1単位、法定耐用年数は6年が原則
  • 少額減価償却資産の特例は2026年4月から40万円未満に拡大、従業員数要件は400人以下に変更
  • 中古品は経過年数に応じた計算式で耐用年数を短縮できる(詳細は中古 vs 新品の比較記事
  • 購入・リース・レンタル・クラウドPBXで資産計上の要否が変わる
  • 特例の対象法人要件・計算式の実際の適用は必ず顧問税理士に最終確認する

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