ビジネスフォンの増設|電話機を足せるかは主装置の上限で決まる

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人が増えて、電話機をあと数台足したい。そのとき最初にぶつかるのが「今の主装置にまだつなげるのか」という問題です。電話機だけ買い足せば済むこともあれば、主装置ごと入れ替えになることもあります。
分かれ目は3つです。①主装置が収容できる台数の上限、②上限を広げるのに増設ユニットやライセンスが要るか、③主装置の部品や保守がいつまで続くか。この記事では、サクサ・ナカヨ・NTT東日本の公式の仕様表から、この3つを具体的な数字で確かめます。
① 主装置が収容できる台数の上限(メーカー公表値)
同じメーカーの主装置でも、グレード(規模)ごとに収容できる電話機の台数が決まっています。まず自社の主装置の型番とグレードを確認し、次の表と照らし合わせてください。
NTT東日本 SmartNetcommunity αZX
| グレード | 最大接続台数 | チャネル数 |
|---|---|---|
| typeS | 10台 | 8ch |
| typeM | 40台(31台以上は内線拡張ライセンスが必要) | 12ch |
| typeL | 570台 | 192ch |
出典: NTT東日本「SmartNetcommunity αZX」/同 仕様(「「typeM」で31台以上収容する場合は、内線拡張ライセンスが必要です。」)
サクサ PLATIAⅢ
| グレード | 電話機(TD1010・TD1020) | IP電話機(NP820) |
|---|---|---|
| Standard | 最大8台(主装置416増設 未実装)/最大16台(実装) | 最大16台 |
| Professional | 最大32台 | 最大72台 |
| Ultimate | 最大96台(基本架)/192台(+増設架)/288台(+増設架×2) | 最大384台 |
出典: サクサ「PLATIAⅢ」仕様表(内線収容数)。Standardは、TD1010・TD1020・CL1020・WS1000電話機を合わせた上限も最大8台(主装置416増設の実装時は最大16台)です。
ナカヨ NYC-X
| タイプ・構成 | ボタン電話機 | IPボタン電話機 | 外線計 |
|---|---|---|---|
| タイプS 基本架 | 20 | 20 | 8 |
| タイプLA 基本架 | 56 | 112 | 48 |
| タイプLA 基本架+増設1 | 112 | 112 | 48 |
| タイプLA 基本架+増設2 | 168 | 56 | 48 |
| タイプLB 基本架 | 64 | 168 | 48 |
| タイプLB 基本架+増設1 | 128 | 168 | 96 |
| タイプLB 基本架+増設2 | 192 | 112 | 96 |
| タイプLB 基本架+増設3 | 256 | 56 | 96 |
出典: ナカヨ「NYC-X 仕様」回線容量(IPボタン電話機はどこでもでんわを含む)
② 上限を広げるときの「境目」— ユニット・ライセンス・増設架
上の表を並べると、同じ主装置のまま台数を増やせる場合にも、何かを追加する境目があることが分かります。見積もりで費用が跳ねるのは、この境目をまたぐときです。
| メーカー | 境目 | 追加が必要なもの(公式の記載) |
|---|---|---|
| NTT東日本 αZX typeM | 31台目から | 内線拡張ライセンス |
| サクサ PLATIAⅢ Standard | 電話機(TD1010・TD1020ほか)の9台目から | 主装置416増設(未実装なら最大8台、実装で最大16台) |
| ナカヨ NYC-X タイプLA・LB | ボタン電話機を増やすとき | 増設架(ただしIPボタン電話機の上限は下がる) |
とくに注意したいのがナカヨの例です。タイプLAで増設架を2つ載せると、ボタン電話機は56台から168台に増える一方、IPボタン電話機の上限は112台から56台に下がります。タイプLBでも、増設3でIPボタン電話機は168台から56台になります。今後IP電話機やスマホ内線(どこでもでんわ)を増やす予定がある会社は、「台数が増える構成」が逆に上限を下げていないかを確かめてください。
逆に、どのメーカーでも最上位のグレードの上限を超えるなら、同じ主装置での増設はできません。主装置の入れ替えか、クラウドPBXへの移行を検討する段階です。

③ 主装置の部品・保守がいつまで続くか
台数に余裕があっても、主装置そのものの修理ができなくなる時期が近いなら、電話機を足すことにあまり意味はありません。メーカーは主装置ごとに期限を公表しています。
| 主装置 | 公表されている期限 | 状況(2026年9月時点) |
|---|---|---|
| NTT東日本 αNXⅡシリーズ typeS・typeM | 補修用性能部品の保有期限 2024年9月 | 経過済み |
| NTT東日本 αNXⅡシリーズ typeL | 補修用性能部品の保有期限 2025年4月 | 経過済み |
| NTT東日本 αZXシリーズ typeS・typeM | 補修用性能部品の保有期限 2031年11月 | 期限前 |
| NTT東日本 αZXシリーズ typeL | 補修用性能部品の保有期限 2032年4月 | 期限前 |
| ナカヨ NYC-SIS-ME(NYC-Siシリーズ) | 主装置の保守終了月 2029年3月 | 期限前 |
| ナカヨ NYC-2S-ME(NYC-2Sシリーズ) | 主装置の保守終了月 2030年5月 | 期限前 |
出典: NTT東日本「補修用性能部品の保有期限」/ナカヨ「主装置の保守終了」(いずれも2026年9月21日確認)
期限を過ぎた主装置に電話機を足すと、あとで主装置が壊れたときに、足した電話機ごと使えなくなるおそれがあります。期限まで数年しかないなら、足す費用と入れ替える費用を並べて比べるのが合理的です。交換の目安はビジネスフォンの交換時期・寿命、故障時の考え方はビジネスフォンが故障したらで解説しています。
増設は自分でできるか
電話機を足すには、主装置側の設定(内線番号の割り当てなど)が必要になるのが一般的です。増設ユニットやライセンスの追加、配線を伴う場合は、主装置を設置・保守している業者に依頼してください。電話回線への接続工事には工事担任者の資格が関わり、自分でできる範囲は総務省のQ&Aで線引きされています。詳しくは中古ビジネスフォンは工事不要?自分でつないでいい条件で整理しています。
上限を超えるときの選択肢
主装置の上限を超える、または期限が近い場合は、次の2つを比べます。
- 主装置を上位グレードに入れ替える:今の電話機が新しい主装置で使えるかは機種の組み合わせ次第です。複数の業者から見積もりを取り、機器代・工事費・設定費を分けて比べてください(見積書チェックリスト)。
- クラウドPBXに移る:主装置の上限がなく、利用するIDや内線の数で料金が決まります。例えばひかりクラウドPBXは10IDパック 月額11,000円(税込)から、ナイセンクラウドはプロプランが5内線まで月額10,000円で6内線目から1内線1,000円加算(税抜)です。移行時の番号の残し方はクラウドPBXで今の電話番号は使える?を参照してください。
どちらが合うかは、ビジネスフォンとクラウドPBXの比較で判断できます。入れ替えの見積もりを複数社から集めるなら、業者を無料で紹介するサービスも使えます。
よくある質問(FAQ)
Q. 今の主装置に、あと何台つなげるかはどう調べればよいですか?
A. 主装置の型番とグレード(例:サクサ PLATIAⅢのStandard、NTT東日本 αZXのtypeS)を確認し、メーカー公式の仕様表で収容できる台数を見ます。主装置に載っている増設ユニットや内線拡張ライセンスの有無で上限が変わる機種があるため、最終的には主装置を設置・保守している業者に今の構成を確認してもらうのが確実です。
Q. 増設するなら中古の電話機でも大丈夫ですか?
A. 同じシリーズで接続できる電話機であれば選択肢になりますが、主装置そのものの部品保有期限や保守終了月も確認してください。例えばNTT東日本はαNXⅡシリーズのtypeS・typeMの補修用性能部品の保有期限を2024年9月、typeLを2025年4月と公表しており、すでに期限を過ぎています。主装置が修理できなくなる時期が近いなら、電話機を足すより入れ替えを検討したほうが結果的に安く済む場合があります。
Q. 電話機の増設は自分でできますか?
A. 主装置の設定や、増設ユニット・ライセンスの追加、配線を伴う作業は、主装置を設置・保守している業者に依頼してください。電話回線への接続工事には工事担任者の資格が関わります。自分でできる範囲とできない範囲は、総務省の工事担任者資格制度Q&Aをもとに別の記事で整理しています。
増設を決める前の確認手順
- 主装置の型番とグレードを調べる:本体のラベルや保守契約書で確認する
- 今の台数と上限を比べる:上の表で、あと何台つなげるかを出す
- 境目をまたぐか確認する:増設ユニット・ライセンス・増設架が必要になるか
- 期限を確認する:主装置の部品保有期限・保守終了月まで何年あるか
- 足す費用と入れ替える費用を並べる:業者に両方の見積もりを依頼する
業者の選び方はビジネスフォン業者の選び方で、依頼内容別の相談先とあわせて解説しています。
