ビジネスフォンの解約|違約金トラブルを防ぐ確認手順

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ビジネスフォン情報メディア編集部

ビジネスフォン・クラウドPBXの比較・口コミ情報を専門に扱うメディア。電気通信事業法・料金相場・主要メーカーの最新情報をもとに、企業の電話環境選びを支援しています。

移転が決まった、クラウドPBXに切り替えたい、拠点を閉じることになった。理由は違っても「今の電話をやめたい」と業者に伝えた瞬間に、想定していなかった金額の話が始まることがあります。そして多くの場合、その金額はいま話している相手が決めたものではありません。

ビジネスフォンの解約でもめる原因は、ほとんどが同じ場所にあります。導入時は1社の窓口でまとめて手続きしたのに、契約そのものは複数の相手と別々に結ばれているという構造です。窓口が1つだったせいで、利用者側は「1つの契約を解約する」つもりでいます。ところが実際には、機器・保守・回線・電話番号がそれぞれ違うルールで動きます。

この記事では、解約を申し出る前に何を確認すればよいかを、契約の種類ごとに整理します。あわせて、事業用の契約にクーリング・オフが使えない条文上の理由と、回線契約にだけ用意されている解除の仕組みを、法令の原文で確認した範囲で示します。レンタル契約の最低利用期間そのものについてはビジネスフォンレンタルの最低利用期間で詳しく扱っています。

「ビジネスフォンの解約」は1つの解約ではない

結論から書きます。オフィスの電話を止めるという行為は、少なくとも4つの契約を同時にほどく作業です。相手も、途中でやめられるかどうかも、それぞれ違います。

契約契約の相手になりうる先途中でやめられるか
機器(主装置・電話機)販売店/リース会社/レンタル事業者買い取りなら自由。リース・レンタルは契約条項しだい
保守契約販売店/メーカー系の保守会社期間や更新の定めが置かれている場合が多い
回線契約電気通信事業者(およびその媒介・再販を行う事業者)解約自体は可能。工事費の分割や割引の条件が残る場合がある
電話番号回線契約に付随(単独の契約ではない)回線を解約すると原則として手放すことになる

ここで重要なのは、導入時の窓口が1社だったとしても、契約書の名義は4つとも同じとは限らないという点です。とくにリースは、機器を選んだ販売店ではなくリース会社との契約になります。販売店に「やめたい」と伝えても、販売店には中途解約を決める権限がありません。まずは手元の書類を並べて、誰と何を契約しているのかを分けるところから始めてください。

契約形態によって、中途解約の重さがまったく違う

機器の契約形態は大きく4つに分かれます。やめたときに何が起きるかは、この形態でほぼ決まります。

形態やめるときに起きること確認すべき条項
買い取り機器は自社の資産のため、使うのをやめること自体は自由。処分の手間と費用が残る保守契約と回線契約(機器とは別契約)
リース中途解約を認めない条項が置かれていることが多い。認められる場合も残りの期間分を一括で求められることがある中途解約条項・規定損害金・物件の返還義務
レンタル最低利用期間の定めが置かれることが多い。期間内の解約時の扱いは事業者ごとに違う最低利用期間・中途解約時の支払・撤去費用
クラウドPBX解約そのものは比較的軽い。ただし端末代の分割や最低利用期間が別に置かれている場合がある最低利用期間・端末の残債・番号の扱い

リースだけ扱いが重いのには理由があります。リース会社は契約の開始時点で機器の代金を販売店へ全額支払い、その金額を月額に割って長期で回収します。途中でやめられると回収できない部分が残るため、契約書の側で中途解約を封じる構造になっています。会計処理の面から見た購入・リース・レンタルの違いはビジネスフォンの減価償却・耐用年数で整理しています。

なお、当サイトが確認した範囲では、中途解約金の金額水準を示す公的機関・メーカー・販売事業者の公表データは見つかりませんでした。「相場は残債の何割」といった数字を前提に交渉を組み立てないでください。判断材料になるのは手元の契約書だけです。

事業用の契約に、クーリング・オフは原則として使えない

訪問営業や電話勧誘で契約してしまったとき、多くの担当者が最初に思い浮かべるのがクーリング・オフです。しかし事業のために締結した契約は、条文の側で最初から対象外にされています。特定商取引法の該当条文は次のとおりです。

第二十六条 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一 売買契約又は役務提供契約で、第二条第一項から第三項までに規定する売買契約若しくは役務提供契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供
(特定商取引に関する法律 第26条第1項第1号)

条文中の「前三節」は、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売についてそれぞれ定めた各節を指します。訪問販売におけるクーリング・オフの規定は、この範囲に含まれます。したがって、法人や個人事業主が事業用に契約したビジネスフォンは、訪問営業で契約したものであっても、原則としてクーリング・オフを理由に白紙へ戻すことはできません。

この事実は、契約前と契約後で意味がまったく変わります。契約後にできることが限られている以上、確認の重心は契約前に置くしかありません。それでも契約の成立過程そのものに問題があると考える場合は、条文の枠外の争いになります。契約書と当時のやり取りを揃えたうえで、弁護士など専門家に相談してください。

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ただし回線契約には、書面で解除できる仕組みがある

機器の契約とは対照的に、回線契約の側には電気通信事業法が用意した解除の仕組みがあります。この非対称を知らないまま「どうせ何もできない」と諦めると、使えたはずの選択肢を捨てることになります。

電気通信事業者と第二十六条第一項第一号又は第二号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約を締結した利用者は、総務省令で定める場合を除き、前条第一項の書面を受領した日(中略)から起算して八日を経過するまでの間(中略)、書面により当該契約の解除を行うことができる。
(電気通信事業法 第26条の3第1項)

同条は続けて、この解除があった場合に電気通信事業者は損害賠償や違約金を請求できないこと(第3項)、そしてこれらの規定に反する特約で利用者に不利なものは無効であること(第5項)を定めています。ただし、解除までの期間に提供を受けた役務に対して支払うべき金額など、総務省令で定める額は除かれます。

注意点が2つあります。1つは対象となる役務が総務大臣の指定によって決まることです。同法第26条第1項は、対象を「総務大臣が指定するもの」と定めており、指定は告示によって行われます。自社が契約した回線がこの仕組みの対象かどうかは、契約時に交付された書面の記載で確認してください。もう1つは、あくまで回線契約についての制度であって、機器のリース契約には及ばないことです。同じ日に同じ営業担当者と結んだ2つの契約でも、扱いは別々になります。

解約を申し出る前に確認する10項目

順番が重要です。先に「やめます」と伝えてしまうと、確認の主導権がなくなります。以下は、連絡する前に手元で潰しておく項目です。

  1. 契約書が何通あるかを数える:機器・保守・回線で別紙になっていないかを確認します
  2. それぞれの契約相手の社名を確認する:リース会社名が販売店と違う場合、交渉相手も違います
  3. 機器の契約形態を特定する:買い取り・リース・レンタル・クラウドのどれかで、やめたときの重さが決まります
  4. 中途解約条項の有無と文言を読む:「解約できない」のか「解約時に一括で支払う」のかは別の話です
  5. 契約満了日と自動更新の条項を確認する:更新前の通知期限を過ぎると、次の期間に入ります
  6. 解約の申し出方法と期限を確認する:書面が必要か、何日前までかが指定されている場合があります
  7. 工事費や導入費の分割・割引の残りを確認する:月額に含めて回収されている場合、解約時に表面化します
  8. 回線に何がぶら下がっているかを洗い出す:電話以外の用途が同じ回線を使っていないかを確認します
  9. 電話番号を残す必要があるかを決める:残すなら、解約を申し出る前に引き継ぎの可否を確認します
  10. 機器の返却先・処分方法を決める:リースは返却、買い取りは処分の手配が必要です

このうち8番と9番は、後戻りができない項目です。ほかの項目と違って、気づいたときには回線が止まっています。次の2つの見出しで個別に扱います。

回線を止めると、電話以外のものが一緒に止まる

オフィスの電話回線は、電話だけに使われているとは限りません。契約から何年も経っていると、当時の担当者しか知らない用途がぶら下がっていることがあります。解約前に、少なくとも次の用途が同じ回線を使っていないかを確認してください。

  • FAX:番号が電話と別でも、回線を共用している場合があります
  • 警備会社への通報回線:機械警備の異常通知が電話回線を経由していることがあります
  • エレベーターや設備の非常通話装置:法定点検の対象になる設備が回線を使っている場合があります
  • クレジットカードなどの決済端末:通信手段として電話回線を使う機種があります
  • 受発注端末・遠隔監視装置:取引先から貸与された機器が回線を使っていることがあります

これらは止まってから気づいても、復旧に工事と日数がかかります。とくに警備と設備系は、止まっている間の責任の所在が問題になります。回線の解約日を決める前に、設備担当・警備会社・取引先へ確認を回してください。

なお、回線そのものの制度変更によって、こちらの都合とは関係なく切り替えを迫られる場合もあります。NTT東日本は、INSネット(ディジタル通信モード)について2024年8月31日をもって新規販売を終了し、2028年12月31日にサービス提供を終了すると案内しています。同社は、2024年1月以降のIP網への移行では電話番号は変わらず、電話機の交換や工事も必要なかったとしています。制度側の期限と、自社の契約の満了日は別物です。両方をカレンダーに置いてください。

電話番号を残すか、手放すかを先に決める

電話番号は機器についているものではなく、回線契約に紐づいています。したがって回線を解約すれば番号は事業者に返され、後から同じ番号を取り戻すことは原則としてできません。名刺・看板・地図サービス・取引先の登録情報に載っている番号であれば、失う影響は工事費よりはるかに大きくなります。

番号を残したい場合、確認する順番はこうなります。①その番号を移行先で引き継げるかを移行先の事業者に確認する ②引き継げる場合の手続きと所要期間を確認する ③そのうえで現在の回線の解約日を決める。引き継げるかどうかは、その番号がどの事業者で発番されたものかなどの条件によって変わるため、一般論では決まりません。先に解約を申し出てしまうと、この確認をする前に選択肢が閉じます。

クラウドPBXへ移す場合も同じです。移行の全体像はビジネスフォンとクラウドPBXの比較で扱っていますが、番号の引き継ぎ可否は移行先のサービスごとに条件が違います。「クラウドにすれば番号はそのまま」と一般化しないでください。

機器の返却・撤去・廃棄は、契約形態で分かれる

解約が決まった後に、もう1つ費用が出ます。撤去と処分です。ここも契約形態で扱いが分かれます。

形態機器の行き先費用の負担
リース・レンタルリース会社・レンタル事業者へ返却撤去工事や返送の費用は利用者側の負担になるのが一般的
買い取り自社で処分、または買取業者へ売却処分費用が発生。売却できれば一部が戻る場合もある

買い取った機器を捨てる場合、事業所から出る電話機は家庭ごみとして出せません。廃棄物処理法第2条第4項第1号は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち廃プラスチック類その他政令で定めるものを産業廃棄物と定めています。自治体の一般ごみではなく、許可を持つ処理業者への委託が必要になります。

一方で、機種と状態によっては買取の対象になります。中古で流通する機種の考え方は中古ビジネスフォンの価格と選び方で整理しています。撤去を依頼する前に買取の可否を聞いておくと、処分費用と相殺できる場合があります。撤去してから聞いても、値はつきにくくなります。

保守契約を先に切るかどうかは、機器の寿命で決まる

機器を使い続けながら保守だけをやめる判断もあります。ただしこれは「月額を下げる」話ではなく、「故障時の負担を自社に移す」話です。OFFICE110の解説では、保守契約は定額保守・スポット保守・災害時サポートに分かれ、小型主装置(約10台)の定額保守は月額3,000円〜6,000円程度が目安とされています。

判断を分けるのは機器の残り寿命です。NTT東日本は補修用性能部品の保有期限について、製造打ち切りから7年(パソコン、ルータは5年)を目安として案内しています。保有期限を過ぎた機種は、保守に入っていても修理できない可能性があります。その段階まで来ているなら、保守の解約は実質的に機器の入れ替え時期を決める判断です。年間の保守費の考え方はビジネスフォンの年間保守費用、入れ替えの目安はビジネスフォンの交換時期で扱っています。

あなたの状況別|最初に手をつける場所

状況最初に確認すること
オフィスを移転する解約ではなく移設で済む可能性があります。移設費と中途解約時の負担を比べてから決めます
拠点や事業を閉じる回線にぶら下がっている設備・警備・決済の用途を先に洗い出します。番号を残すかどうかも同時に決めます
クラウドPBXへ移行したい番号を引き継げるかを移行先に確認します。並行して稼働させる期間を取れるかも同時に聞きます
リース期間がまだ残っている契約相手がリース会社か販売店かを確認します。満了日まで待つ場合の総額と、いま解約する場合の総額を並べます
故障が増えて限界が近いその機種の部品の保有期限を確認します。修理できない段階なら、保守を続けても費用だけが残ります
営業を受けて契約したばかり回線契約の書面に、書面による解除ができる旨の記載がないかを確認します。機器のリースはこの仕組みの対象外です

次に契約するときに、書面へ残しておく4項目

今回の解約で苦労した点は、そのまま次の契約の条件になります。口頭で確認しただけの事項は、担当者が代わった時点で消えます。見積もりの段階で書面に残しておく項目は次の4つです。

  1. 契約期間と、期間満了後の扱い:自動更新か、更新しない場合の通知期限は何日前かを明記してもらいます
  2. 中途解約の可否と、その場合の支払:「相談のうえ」ではなく、算定の方法まで書いてもらいます
  3. 契約終了時の撤去・返却の費用負担:どちらが負担するか、金額の目安はいくらかを確認します
  4. 電話番号の扱い:契約終了時にその番号がどうなるかを、事業者名とあわせて明記してもらいます

この4つに書面で答えられる業者は、契約の出口まで設計しています。逆に、出口の質問に口頭でしか答えない業者は、解約時にも同じ姿勢で対応します。複数社を比べる観点はビジネスフォン業者の比較、実際の候補はビジネスフォン業者ランキングで整理しています。

利用者の口コミ

当サイトは、ビジネスフォン・クラウドPBXを実際に導入した企業からの口コミを口コミ投稿フォームで募集しています。解約時の経緯について出典を確認できた口コミがまだ集まっていないため、この記事には口コミを掲載していません。投稿が集まり次第、契約形態・請求された費目・かかった日数といった属性とあわせて公開します。

よくある質問(FAQ)

Q. ビジネスフォンのリース契約は途中で解約できますか?

A. 原則として中途解約を認めない条項が置かれている契約が一般的です。リース会社が機器の代金を先に全額支払い、月額で回収する構造のためです。解約できる場合も、残りの期間に対応する金額を一括で支払う条項になっていることがあります。なお当サイトが確認した範囲では、違約金の金額水準を示す公的機関・メーカーの公表データは見つかりませんでした。相場ではなく、手元の契約書の中途解約条項に何と書いてあるかを確認してください。

Q. 訪問営業で契約したビジネスフォンをクーリング・オフできますか?

A. 事業のために締結した契約は、原則としてクーリング・オフの対象になりません。特定商取引法第26条第1項第1号は、申込みをした者や購入者が営業のために、または営業として締結する売買契約・役務提供契約について、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売に関する規定を適用しないと定めています。クーリング・オフはこの適用除外の範囲に含まれます。契約の効力そのものを争う余地があるかどうかは条文の枠外の問題になるため、契約書を持って専門家に相談してください。

Q. 解約したら電話番号はどうなりますか?

A. 電話番号は機器ではなく回線契約に紐づいています。回線を解約すると番号は事業者に返され、後から同じ番号を取り戻すことは原則としてできません。番号を残したい場合は、その番号を引き継げるかどうかを移行先の事業者に先に確認してください。引き継げるかは、その番号がどの事業者で発番されたものかなどの条件によって変わります。順番を逆にして先に解約を申し出ると、選択肢がなくなります。

Q. 保守契約だけを先に解約してもいいですか?

A. 機器を使い続ける前提なら、外した後の負担を金額で比べてから決めてください。保守を外すと故障のたびに都度精算になります。さらに、部品の保有期限を過ぎている機種では修理そのものができない可能性があります。NTT東日本は補修用性能部品の保有期限について、製造打ち切りから7年(パソコン、ルータは5年)を目安として案内しています。機器の寿命が近い場合、保守の解約は実質的に機器の入れ替え時期の決定になります。

Q. リースで借りた電話機は解約後どうすればいいですか?

A. リース物件は自社の資産ではないため、廃棄せずリース会社の指示に従って返却します。撤去や返送にかかる費用は利用者側の負担になるのが一般的です。買い取った機器を処分する場合は、事業活動に伴って生じた廃棄物にあたるため家庭ごみとしては出せません。廃棄物処理法第2条第4項第1号は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃プラスチック類など政令で定めるものを産業廃棄物と定めています。

連絡する前に済ませる3つのこと

ここまでの内容を、着手順に3つへ落とします。

  1. 契約書をすべて机に並べる:機器・保守・回線で契約相手と満了日を書き出します。相手が分かれば、話す順番が決まります
  2. 回線にぶら下がっているものを洗い出す:FAX・警備・設備の非常通話・決済端末を、設備担当と一緒に確認します。ここだけは後戻りできません
  3. 番号を残すかどうかを決める:残すなら、解約を申し出る前に移行先へ引き継ぎの可否を確認します

この3つが終わっていれば、解約の連絡は事務手続きになります。逆に、終わらないまま「やめます」と伝えると、相手のペースで日程と金額が決まります。移行先を並行して探す場合、条件を1回入力すれば複数社から見積もりが届く一括見積もりサービスを使うと、比較の初速が上がります。

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