コールセンター向けクラウドPBX|席数より先に来る4つの上限

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「オペレーターを10人から30人に増やしたのに、取りこぼしが3倍にならない」。受電窓口の増席でよく起きるのがこの現象です。席は増えたのに、同時に受けられる電話の本数が変わっていないためです。電話の設備は、席数とは別の単位で上限が決まっています。
この記事では、コールセンター用途で先に頭打ちになる4つの上限を、各社が公表している数値だけで順番に確認します。同時通話のチャネル数、同時に録音できる本数、スマホ内線の収容数、そして課金の単位です。金額はいずれも各社が公開している料金表から引用し、そこから先の計算は前提を明記したうえで当サイトで行っています。
先に用語を2つだけ確認します。チャネル(ch)は、同時に成立する通話の本数を数える単位です。電話機を何台並べても、契約している外線が4チャネルなら5本目の着信は話中になります。主装置は、外線と内線をつなぐ交換機のことで、オフィスの壁や電話室に設置する箱を指します。クラウドPBXは、この主装置の役割をインターネット上のサーバーが担う方式です。両者の基本的な違いはビジネスフォンとクラウドPBXの比較で解説していますので、ここではコールセンター特有の詰まり方だけを扱います。
コールセンターで先に頭打ちになるのは、席数ではない
「30席のコールセンターを作りたい」という要件をそのまま業者に伝えると、30人分の端末が用意された見積書が返ってきます。これは間違いではありませんが、その構成で30本の電話を同時に受けられるとは限りません。端末の数と、同時に成立する通話の本数は、別々の契約項目だからです。
コールセンター用途で確認すべき上限は、次の4つです。順番に、それぞれ別の場所で決まります。
| 上限 | 何で決まるか | 足りないと何が起きるか |
|---|---|---|
| ① 同時通話のチャネル数 | 回線メニューと、クラウドPBXでは「全体チャネル」の契約数 | 席が空いていても、それ以上の着信は話中になる |
| ② 同時録音の本数 | 主装置の録音仕様 | ピーク時の通話の一部が録音されない |
| ③ スマホ内線の収容数 | 主装置・サービスごとの収容上限(有線端末とは別枠) | 在宅オペレーターを一定数以上増やせない |
| ④ 課金の単位 | IDパック制か、端末ごとのライセンス制か | 席数が増えたときの月額の伸び方が読めない |
このうち①と④は契約の話、②と③は機器の話です。クラウドPBXを検討している場合は①④が、既存の主装置を活かす場合は②③が先に効きます。以下、それぞれ公表値で確認していきます。
クラウドPBXは「席」と「同時通話」が別売りになっている
NTT東日本はひかりクラウドPBXの料金ページで、月額利用料を次のように公表しています(いずれも税込)。
| 区分 | 単位 | 月額利用料 |
|---|---|---|
| 10IDパック(全体チャネル10チャネル含む) | 1契約ごと | 11,000円 |
| 20IDパック(全体チャネル20チャネル含む) | 1契約ごと | 20,900円 |
| 30IDパック(全体チャネル20チャネル含む) | 1契約ごと | 27,500円 |
| 追加ID利用料(31ID〜999IDまで) | 1IDごと | 660円 |
| 全体チャネル追加利用料 | 10チャネルごと | 5,500円 |
注目すべきは、30IDパックに含まれる全体チャネルが20チャネルで、20IDパックと同じという点です。そして31ID以降は1IDごと660円で増やせますが、この追加IDにチャネルは含まれていません。チャネルを増やすには、全体チャネル追加利用料を10チャネルごとに払う必要があります。
この構造を、席数を増やしたときの単価に直すと次のようになります。金額は上表の公表値をそのまま使い、割り算は当サイトで行いました。ID利用料以外の費用(フレッツ 光ネクスト、ひかり電話オフィスA、プロバイダの固定IP、機器レンタル等)は含んでいません。
| 席数(ID数) | 月額のID利用料 | 含まれる全体チャネル | 1IDあたり | 1チャネルあたり |
|---|---|---|---|---|
| 10席 | 11,000円 | 10チャネル | 1,100円 | 1,100円 |
| 20席 | 20,900円 | 20チャネル | 1,045円 | 1,045円 |
| 30席 | 27,500円 | 20チャネル | 917円 | 1,375円 |
| 50席(30IDパック+追加20ID) | 40,700円 | 20チャネル | 814円 | 2,035円 |
| 100席(30IDパック+追加70ID) | 73,700円 | 20チャネル | 737円 | 3,685円 |
席あたりの単価は1,100円から737円まで下がりますが、同時通話1本あたりの単価は1,100円から3,685円へ、およそ3.35倍に上がります。一般的なオフィスなら全員が同時に電話することはないため、この構造は問題になりません。しかしコールセンターは、席が埋まっている時間帯はほぼ全席が通話中という前提で設計する業務です。席単価が下がるという説明だけを聞いて席数を増やすと、コールセンターでは逆方向に進みます。
拠点や部署が増えるケースでID単価の逓減がどう効くかは多拠点・複数店舗のビジネスフォンで扱っています。そちらは席が分散する前提なので、結論の向きが変わります。

では、席数と同じだけの同時通話を確保すると、いくらになるでしょうか。全体チャネル追加利用料は10チャネルごと5,500円ですので、10チャネル単位で切り上げて計算します。
| 席数 | ID利用料 | 追加が必要なチャネル | チャネル追加利用料 | 月額の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 30席で30チャネル | 27,500円 | 10チャネル(1単位) | 5,500円 | 33,000円 |
| 50席で50チャネル | 40,700円 | 30チャネル(3単位) | 16,500円 | 57,200円 |
| 100席で100チャネル | 73,700円 | 80チャネル(8単位) | 44,000円 | 117,700円 |
全席が同時に通話する前提は、実際には過大です。休憩・後処理・離席がある以上、必要なチャネルは席数より少なくなります。この表は上限側の目安であり、実際には自社の同時通話の実測値を当てはめてください。着信件数と平均通話時間から必要チャネル数を出す計算方法はEC事業者のビジネスフォンで表にしています。重要なのは、席数を増やしてもこの欄が自動では増えないという点です。
課金の単位がパック制か端末ごとかで、席が増えたときの伸び方が変わる
クラウドPBXの月額は、サービスによって数え方が違います。席数の多いコールセンターでは、この違いがそのまま金額差になります。
| サービス | 課金の単位(公表値) | 席が増えたときの効き方 |
|---|---|---|
| ひかりクラウドPBX(NTT東日本) | 10/20/30のIDパック制。31ID〜999IDは1IDごと660円。全体チャネルは別枠で10チャネルごと5,500円 | ID側は段階的に安くなるが、チャネル側は席数と連動せず別に増やす必要がある |
| OFFICE PHONE(ベルテクノス) | 月額基本料金3,400円〜に加えて、ライセンス料金98円〜/1端末 | 端末ごとの積み上げのため、席数に比例して増える |
OFFICE PHONEの数値はOFFICE110のクラウドPBXページの公表値です。同ページには外線通話料金が固定電話宛で8.8円/3分、社内通話は場所を問わず無料、転送料金は0円、初期費用24,800円(キャンペーン中は無料)と記載されています。コールセンターは発信・受信ともに通話量が多い業務ですので、月額だけでなく通話料の単価も同じ表に並べて比べてください。
なお、料金表に並んでいない費用があります。ひかりクラウドPBXはサービスページで、利用にはフレッツ 光ネクストの契約が必要で、外線利用時にはひかり電話オフィスA(エース)またはひかり電話オフィスタイプのいずれかの契約が必要と明記しています。この2つは別契約であり、上の月額表には含まれていません。見積書のどこを確認すべきかはビジネスフォンの見積書チェックリストにまとめています。
主装置で組むなら、グレードより回線メニューが天井を作る
既存の主装置を活かす、あるいは新たにオンプレミス型で組む場合、「上位グレードにすれば同時通話も増える」と考えがちですが、公表値を見るとそうとは限りません。
サクサはPLATIAⅢの仕様ページで、グレードごとの外線収容数と内線収容数を公表しています。コールセンター用途で効く項目だけを抜き出すと次のとおりです。
| グレード | ひかり電話オフィスタイプ | ひかり電話オフィスA | IP多機能電話機(NP820) | スマートフォン内線(MLiner) |
|---|---|---|---|---|
| Standard | 最大8チャネル | 最大16チャネル | 最大16台 | 最大16台 |
| Professional | 最大8チャネル | 最大32チャネル | 最大72台 | 最大32台 |
| Ultimate(基本架) | 最大8チャネル | 最大64チャネル | 最大384台 | 最大32台 |
| Ultimate(基本架+増設架) | — | 最大128チャネル | 最大384台 | 最大32台 |
| Ultimate(基本架+増設架2台) | — | 最大192チャネル | 最大384台 | 最大32台 |
ひかり電話オフィスタイプの欄は、Standardでも Ultimateでも最大8チャネルで変わりません。つまり回線メニューをひかり電話オフィスタイプのまま最上位の主装置に入れ替えても、同時に受けられるのは8本のままということになります。同時通話を増やすには、主装置ではなく回線メニュー側を変える必要があります。
逆に、席数(端末の数)だけを見るとグレード差は大きく開きます。IP多機能電話機NP820はStandardで最大16台、Professionalで最大72台、Ultimateで最大384台です。席は384用意できて、同時通話は8本、という構成が公表値の上では成立してしまいます。メーカーごとの位置づけの違いはサクサ ビジネスフォンの特徴と機種にまとめています。
在宅オペレーターを混ぜるなら、スマホ内線の収容が別の天井になる
コールセンターを在宅併用で運営する場合、上の表でもう1つ見るべき欄があります。スマートフォン内線(MLiner)の収容数です。
サクサの公表値では、MLinerの収容数はProfessionalで最大32台、Ultimateでも最大32台です。Ultimateは有線のIP多機能電話機を最大384台収容できますが、スマートフォン内線は32台で頭打ちになります。在宅オペレーターを33人目まで増やそうとした時点で、主装置のグレードを上げても解決しない、という構造です。
他社のスマホ内線の収容上限も、席数とは別に公表されています。ナカヨはNYC Biz Serverの「どこでもでんわ」を最大100台、フォーバルテレコムの「どこでもホン」は内線通話36台のうちスマートフォンは最大10台としています。在宅の比率が高いセンターほど、この欄が実質的な席数の上限になります。各社の対応キャリアや緊急通報の条件を含めた横断比較は在宅勤務のビジネスフォンで表にしています。
全通話録音を要件にすると、天井は外線ではなく同時録音の本数になる
コールセンターでは、応対品質の管理やトラブル対応のために全通話録音を要件にすることがあります。ここで確認すべきなのは保存容量よりも先に、同時に何本まで録音できるかです。
サクサはPLATIAⅢの録音仕様を次のように公表しています。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 同時録音可能数 | 12チャネル |
| システム全体の総録音件数 | 最大10,000件 |
| 1件あたりの最大録音時間 | 255分 |
| 録音時間(標準実装) | 約60分 |
| 録音時間(オプションのUSBメモリ64GB使用時) | 約2,000時間 |
同時録音可能数は12チャネルです。同じ製品ページで、Ultimateのひかり電話オフィスAの外線収容数は最大192チャネルと公表されています。外線側を192チャネルまで積んでも、同時に録音できるのは12本まで、ということになります。13本目以降の通話は、その瞬間の録音対象から外れる計算です。
さらに、システム全体の総録音件数は最大10,000件です。1日500件の通話をすべて録音する運用なら、20日で上限に達する計算になります。保存の運用(いつ、どこへ、誰が退避するか)を決めずに全通話録音を要件に入れると、上限に達した時点で運用が止まります。録音の容量面の考え方はEC事業者のビジネスフォンでも扱っています。
なおクラウドPBX側では、OFFICE110がOFFICE PHONEの通話録音機能について、通話内容を自動で録音してクラウド上に保存し、外出先でも確認できる機能だと説明しています。保存先がクラウドか主装置かで、上限の性質そのものが変わります。ここは同じ土俵に並べず、それぞれの上限を個別に確認してください。
待ち呼・着信自動分配・稼働レポートは、公表値では比較できなかった
コールセンター向けと紹介されるサービスでは、待ち呼(キューイング)、着信自動分配(ACD)、応答率や稼働率のレポートといった機能が挙がります。これらを各社の公表値で比較できるかを、2026年8月26日時点で実際に確認しました。
| 確認したページ | 待ち呼・キューイング | 着信自動分配(ACD) | 稼働状況のレポート |
|---|---|---|---|
| サクサ PLATIAⅢ 製品ページ | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 「通話情報管理(オプション)」として、回線の使用状況やよく電話に出る人などを見られると記載 |
| ナカヨ NYC Biz Server 仕様ページ | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 記載を確認できず |
| NTT東日本 SmartNetcommunity αZX typeS,M 仕様ページ | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 記載を確認できず |
| NTT東日本 ひかりクラウドPBX サービスページ | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 記載を確認できず |
| OFFICE110 クラウドPBX「OFFICE PHONE」ページ | 記載を確認できず | 記載を確認できず(CTIとIVRは記載あり) | 記載を確認できず |
「記載を確認できず」は、その機能が存在しないという意味ではありません。サイト上の公表値だけでは判断できない、という意味です。コールセンターの運用で待ち呼やACDが要件になるなら、この4項目はサイトで比較しようとせず、最初から商談で数値を書面に出してもらうべき領域だということになります。
公表が確認できたのは、着信の振り分けに関する機能です。サクサはPLATIAⅢのIVR機能について、かかってきた電話に自動応答し、番号案内と顧客のプッシュ操作により該当部門へつなげられると説明しています。音声ガイダンス自体は、クラウドの音声合成サービス「らくらくGuidance」で作成でき、利用には有償のライセンスが必要で1ライセンスにつき5ファイルを生成できると明記されています。OFFICE110もOFFICE PHONEの機能としてIVRとCTI(顧客情報表示)を挙げています。
また同ページでは、電話帳機能が最大10,000件、発着信履歴が最大10,000件まで記録、迷惑電話として着信を拒否する電話番号の登録が発信禁止番号と合わせて最大10,000件と公表されています。顧客リストを電話機側に持たせる運用を考えている場合、この件数が実務上の上限になります。
クラウドPBXが向かないコールセンターもある
ここまでチャネルの数え方を中心に見てきましたが、そもそもクラウドPBXが要件に合わないケースがあります。ひかりクラウドPBXのサービスページに公表されている条件から読み取れるのは、次の3つです。
- 緊急通報を自社の代表番号から発信する必要がある:NTT東日本はひかりクラウドPBXについて、ひかり電話オフィスA(エース)を利用して緊急通報番号(110/119/118)に接続することができない、火災通報装置や非常通報装置を接続する電話回線としても利用できない、と明記しています。警備や見守りに関わる窓口では、この一文だけで選択肢から外れます
- 音声品質を契約上の要件にしたい:同社は同じページで「本サービスは音声品質を担保するサービスではありません。端末やアプリケーションの状態により音声品質が劣化するケースもございます」と記載しています。応対品質の指標に通話の明瞭さを含めている場合、担保がない前提で設計する必要があります
- 回線が「フレッツ 光クロス」である:ひかりクラウドPBXは「フレッツ 光クロス」では提供できないと明記されています。拠点の回線を先に決めていると、そもそも候補に入りません
これらに当てはまる場合は、既存の主装置を残してオペレーター席を増やす方向が現実的です。ただしその場合も、上限が消えるわけではなく、上限の置き場所が回線メニューと主装置のグレードに移るだけです。先に見たとおり、ひかり電話オフィスタイプのままではグレードを上げても8チャネルで止まります。
逆に、席が物理的に1か所に集まっていない窓口ほどクラウドPBX側の利点が出ます。在宅と出社が混在する体制や、時間帯で受電拠点を切り替える運用では、主装置の設置場所に縛られない構成のほうが素直です。判断が拠点数ではなく1拠点あたりの人数で変わる理由は多拠点・複数店舗のビジネスフォンで計算しています。
条件が固まったら、同じ条件で複数社に投げる
ここまで見てきたとおり、コールセンターの電話は席数・同時通話・同時録音・スマホ内線という4つの数値が別々に決まります。この4つを固めずに相談すると、各社が別々の前提で構成を組むため、金額だけが並んだ比較できない見積書が届きます。
| 相談先 | 向いている状況 |
|---|---|
| EMEAO!(一括見積もり) | 要件は固まっているものの、どの業者に当たればよいか分からず、審査を通過した業者から条件に合う先を選んでもらいたい |
| OFFICE110 | 販売・工事・保守を1社で完結させたい。新品と中古の両方を含めて構成を出してほしい |
| NTT東日本(ひかりクラウドPBX) | 回線から一体で契約したく、フレッツ 光ネクストとひかり電話オフィスAを含めた条件を確認したい |
各社の対応範囲の違いはビジネスフォン業者の比較、評価はビジネスフォン業者ランキングで確認できます。
条件を1回入力すれば複数社に同じ内容が伝わる一括見積もりサービスなら、前提のずれを最初から防げます。
よくある質問(FAQ)
Q. コールセンターのクラウドPBXは、席数だけ決めれば見積もりが取れますか?
A. 取れますが、その見積もりでは同時通話の本数が足りているかを判断できません。NTT東日本はひかりクラウドPBXの料金ページで、10IDパックに全体チャネル10チャネル、20IDパックに20チャネル、30IDパックにも20チャネルが含まれると公表しています。追加ID利用料は31IDから999IDまで1IDごと660円ですが、これはIDを増やす料金であってチャネルは増えません。チャネルを増やすには全体チャネル追加利用料が10チャネルごと5,500円で別途かかります。つまり席数だけを伝えると、同時通話20本のままの構成で見積書が返ってくる可能性があります。
Q. 席を増やすほど1席あたりの単価は下がりますか?
A. 1IDあたりの単価は下がりますが、1チャネルあたりの単価は上がります。ひかりクラウドPBXの公表料金で計算すると、10IDでは1IDあたり1,100円・1チャネルあたり1,100円です。30IDパックは27,500円で全体チャネル20チャネルのため、1IDあたり917円に下がる一方、1チャネルあたりは1,375円に上がります。追加IDで100IDまで増やすと月額73,700円となり、1IDあたり737円まで下がりますが、含まれるチャネルは20のままなので1チャネルあたりは3,685円です。席あたりでは安くなっても、同時通話あたりでは10IDのときの約3.35倍になります。
Q. 主装置のグレードを上げれば、同時に受けられる本数は増えますか?
A. 回線メニューを変えなければ増えない場合があります。サクサはPLATIAⅢの仕様ページで、ひかり電話オフィスタイプの外線収容数をStandard・Professional・Ultimateのいずれも最大8チャネルと公表しています。一方ひかり電話オフィスAの場合は、Standardが最大16チャネル、Professionalが最大32チャネル、Ultimateが基本架で最大64チャネル、基本架+増設架で最大128チャネル、基本架+増設架2台で最大192チャネルです。主装置を上位グレードに替えても、契約している回線メニューが同じなら同時通話の上限は変わりません。
Q. 全通話録音を要件にすると、どこが上限になりますか?
A. 同時に録音できる本数です。サクサはPLATIAⅢの録音仕様として、同時録音可能数を12チャネル、システム全体の総録音件数を最大10,000件、1件あたりの最大録音時間を255分、録音時間を標準実装で約60分、オプションのUSBメモリ64GB使用時で約2,000時間と公表しています。同じ製品ページでUltimateの外線収容数は最大192チャネル以上が公表されていますので、外線側を増やしても、同時に録音できるのは12本までという計算になります。全通話録音を要件にするなら、外線チャネル数ではなく同時録音数と突き合わせてください。
Q. 待ち呼やACD(着信自動分配)の性能は、公表値で比べられますか?
A. 今回確認した範囲では比べられませんでした。2026年8月26日時点で、サクサ PLATIAⅢ 製品ページ、ナカヨ NYC Biz Server 仕様ページ、NTT東日本 SmartNetcommunity αZX typeS,M 仕様ページ、NTT東日本 ひかりクラウドPBX サービスページ、OFFICE110のクラウドPBX「OFFICE PHONE」ページを確認しましたが、待ち呼・キューイング・着信自動分配・応答率・稼働率にあたる記載はいずれのページにも見つかりませんでした。これは機能が存在しないという意味ではなく、サイト上の公表値では判断できないという意味です。必要な場合は、商談時に数値を書面で出してもらってください。
見積もりを依頼する前に、この4つを数字にしておく
これから受電窓口を立ち上げる場合も、既存のセンターを増席する場合も、揃える数字は同じです。
- ピーク時間帯の同時通話本数を測る:席数ではなく、実際に同時に成立している通話の本数です。既存回線があるなら1週間ぶんの履歴で足ります。この数字が全体チャネル、あるいは回線メニューの選定根拠になります
- 録音の要件を「全通話か、一部か」で決める:全通話なら同時録音の本数と、保存件数の上限に達したときの退避手順まで決めます。一部でよいなら、どの条件で録るかを先に決めます
- 在宅・出社の比率を決める:在宅オペレーターの人数がそのままスマホ内線の必要収容数になります。有線端末の収容数とは別枠で数えてください
- 今後1〜2年の増席計画を書き出す:チャネルは10単位、スマホ内線はサービスごとの上限で刻まれます。今の席数だけで契約すると、増席のたびに構成の見直しが必要になります
この4つが埋まっていれば、各社から返ってくる構成が同じ土俵に乗ります。逆にここが空欄のまま相談すると、席数だけが揃った、同時通話の本数が違う見積書が並びます。金額の比較はそのあとで十分に間に合います。
