在宅勤務のビジネスフォン|スマホ内線化の公表条件を4社比較

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週の半分は在宅、という運用が定着しているのに、代表電話に出るためだけに誰かが交代で出社しています。会社によっては、総務の担当者が着信のたびに担当者の携帯へかけ直して取り次いでいます。在宅勤務そのものは回っているのに、電話だけが最後まで会社の机に縛りつけられている状態です。
これを解く方法は、どのベンダーのサイトでも「クラウドPBXでスマホを内線化しましょう」という同じ結論に着地します。しかし実際に導入を止めるのは、機能の有無ではありません。各社が製品ページの隅に書いている提供条件のほうです。緊急通報がかけられない、対応キャリアが限られる、在宅の端末からは転送できない、といった条件は、決めたあとに知ると設計をやり直すことになります。
この記事では、機能紹介ではなく公表されている制約のほうから在宅勤務の電話を整理します。メーカー・サービス4社の公表条件を1つの表に並べ、緊急通報の扱い、人数が増えたときに料金が跳ねる場所、既存の主装置を残す場合に必要な機器とライセンスまでを、すべて公式サイトの記載だけで扱います。オンプレミス型とクラウドPBXの基本的な違いはビジネスフォンとクラウドPBXの比較で解説しています。
在宅の電話は「既存設備を残すか、置き換えるか」で2つに分かれる
在宅勤務者が会社の番号で発着信する方法は、突き詰めると2つしかありません。いま社内にある主装置(PBX装置=内線と外線をつなぐ交換機)を残して外側にスマホをぶら下げるか、電話の仕組みごとクラウドに置き換えるかです。サービス名の比較を始める前に、どちらの型を取るかを決めてください。
| 型 | やること | 初期に増えるもの | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| ① 主装置を残す(増設型) | 既存の主装置にスマホ内線用のユニットとライセンスを足す | ユニット代・人数分のライセンス・工事 | 主装置が現行機種で、リースや保守契約が途中 |
| ② クラウドに置き換える(移行型) | PBXの機能ごとクラウドサービスに移す | 月額のID利用料・ゲートウェイ・回線条件の確認 | 主装置が保守終了間近、または新規開設 |
①は追加投資が小さく見えますが、主装置が対応機種でなければ選択肢に入りません。手元の主装置の型番と、その機種がスマホ内線に対応しているかを先に確認する必要があります。機種ごとの世代と保守終了の考え方はビジネスフォンの交換時期で整理しています。
②は拠点や自宅の場所に縛られない代わりに、月額が人数で積み上がり、契約できる回線の種別に条件がつきます。複数拠点をまたぐ場合の考え方は多拠点・複数店舗のビジネスフォンで扱っています。
なお「担当者の携帯へ転送する」という3つ目のやり方もありますが、これは電話が鳴るたびに転送の通話料が発生し、相手には会社の番号ではなく転送先の番号や非通知が見えることがあります。恒久的な在宅運用の土台にはしにくい方法です。
先に見るのは機能一覧ではなく、各社が公表している制約
スマホ内線化は、どのサービスも「できます」と書いてあります。差がつくのは、その下に小さく書かれた条件のほうです。ここでは主要な4つについて、2026年8月25日時点で各社が公表している条件を、同じ枠に並べます。
| サービス/製品 | 在宅端末の収容(公表値) | 回線・キャリアの条件 | 緊急通報 | その他の公表条件 |
|---|---|---|---|---|
| ひかりクラウドPBX(NTT東日本) | ID数はパック制(10/20/30、31〜999IDは追加ID) | フレッツ 光ネクストの契約が必要。「フレッツ 光クロス」では提供できません。外線利用にはひかり電話オフィスA(エース)またはひかり電話オフィスタイプの契約が必要 | ひかり電話オフィスA(エース)を利用して110/119/118に接続できない | 「音声品質を担保するサービスではありません」と明記。火災通報装置・非常通報装置を接続する回線としても利用不可 |
| SmartNetcommunity αZXⅡ スマートフォン連携(NTT東日本) | 最大端末数は「最大構成時における収容数」。主装置側の最大接続数はtypeSが10台・8ch、typeMが40台・12ch | 「フレッツ光」などのインターネット接続環境が必要 | スマートフォン連携を経由して110・118・119へ発信できない | 標準の利用期間は4年。1枚のユニットオプションあたり1モード。Microsoft Teams・オフィスリンクモードでは在宅の端末側から他の内線へ転送できない |
| NYC Biz Server「どこでもでんわ」(ナカヨ) | どこでもでんわの接続可能数は最大100台(内線の端末収容数も最大100台) | NTT docomo/au/SoftBank回線に限る(MVNOは非推奨) | 確認したページに記載なし | 携帯電話網のパケット通信を利用するため大容量データプランを推奨。モバイルネットワークの混雑等で品質が安定しない場合があると明記 |
| どこでもホン(フォーバルテレコム) | 内線通話は36台まで、うちスマートフォンは10台まで | ひかり電話およびひかり電話オフィス系に対応(その他回線は要問い合わせ) | 確認したページに記載なし | 最低利用期間1年。1年未満での解約は中途解約金10,000円(非課税)、機器一式未返却の場合は別途55,000円(税込) |
出典はひかりクラウドPBX(NTT東日本)、SmartNetcommunity αZXⅡ typeS・typeM、NYC Biz Server 仕様(ナカヨ)、どこでもホン(フォーバルテレコム)の各公式ページです。「確認したページに記載なし」は、記載がないという事実であって、制限がないという意味ではありません。該当する2社については、緊急通報の扱いを商談時に書面で確認してください。
この表を見ると、比較の軸が機能ではないことがわかります。在宅勤務者が私物の格安SIMを使っているならナカヨの条件で引っかかり、在宅勤務者が10人を超えるならどこでもホンの上限で引っかかり、拠点の回線がフレッツ 光クロスならひかりクラウドPBXが最初から成立しません。自社がどれに当たるかは、機能一覧を読んでも出てきません。各社の対応範囲そのものの違いはビジネスフォン業者の比較にまとめています。
緊急通報(110・119)は、在宅勤務で最初に潰す論点
スマホ内線化を検討するとき、社内で最も見落とされ、かつ後から問題になりやすいのが緊急通報です。会社の電話番号を使う経路からは、110番や119番につながらない構成が実在します。しかもこれは不具合ではなく、各社が仕様として公表しています。
本サービスをご利用いただく場合、「ひかり電話オフィスA(エース)」を利用して緊急通報番号(110/119/118)に接続することができません。携帯電話番号等から発信してください。また火災通報装置や非常通報装置、その他高齢者向け等の緊急通報装置を接続する電話回線としてもご利用できません。
出典: NTT東日本「ひかりクラウドPBX」ご利用上の注意(2026年8月25日確認)
主装置を残す増設型でも同じです。NTT東日本はSmartNetcommunity αZXⅡのスマートフォン連携について、「スマートフォン連携を経由して緊急通話番号(110、118、119)への発信はできません。」と注記しています。方式が違っても、会社の電話網を経由する発信という点は共通だからです。
実務上の影響は限定的にできます。スマートフォン本体の電話機能(携帯電話番号からの発信)は制限されないため、緊急時は会社アプリではなく端末標準の電話アプリからかければ済みます。問題になるのは、それを在宅勤務者が知らない場合です。次の2点を運用ルールとして明文化してください。
- 緊急通報は会社の電話アプリからかけないと、導入時の説明資料に1行入れる。アプリのアイコンを社給端末のホーム画面に置く場合は特に必要です
- 事業所側の緊急通報装置・火災通報装置の回線を、この構成に載せない。ひかりクラウドPBXは、これらの装置を接続する回線として利用できない旨を明記しています。オフィスの設備を1本の回線に寄せる設計をするときの制約になります

在宅勤務者が増えたとき、料金が跳ねる人数は決まっている
クラウドPBXの月額は、人数に比例してなめらかに増えるわけではありません。パックの境目で段差になります。この段差の位置を知らないまま「まず数人で試そう」と始めると、制度を広げた瞬間に想定外の増額が出ます。
実際の公開料金で確かめます。NTT東日本のひかりクラウドPBXは、ID利用料を10IDパック11,000円、20IDパック20,900円、30IDパック27,500円、31ID以降の追加IDを1IDあたり660円と公表しています(いずれも税込・ひかりクラウドPBX 料金)。この公表値だけを使って、1人増やしたときの増分を計算したものが次の表です。ID利用料以外の項目(機器レンタル料・工事費など)は含めていません。
| 必要なID数 | 適用される組み合わせ | ID利用料 月額(税込) | 直前の行からの増分 | 含まれる全体チャネル |
|---|---|---|---|---|
| 10 | 10IDパック | 11,000円 | — | 10チャネル |
| 11 | 20IDパック | 20,900円 | +9,900円 | 20チャネル |
| 20 | 20IDパック | 20,900円 | ±0円 | 20チャネル |
| 21 | 30IDパック | 27,500円 | +6,600円 | 20チャネル |
| 30 | 30IDパック | 27,500円 | ±0円 | 20チャネル |
| 31 | 30IDパック+追加1ID | 28,160円 | +660円 | 20チャネル |
| 40 | 30IDパック+追加10ID | 34,100円 | +5,940円(9ID分) | 20チャネル |
前提: NTT東日本が公表するひかりクラウドPBXのID利用料(税込)を当サイトで積み上げた試算です。2026年8月25日時点の公開料金に基づきます。
11人目のIDは月額9,900円、31人目のIDは月額660円です。同じ「在宅勤務者を1人増やす」でも、増分は15倍違います。10人・20人・30人という境目の直前にいる会社は、あと1人分をどう扱うかで年間の支払いが十万円単位で変わります。
もう1つ、この表で見落としてはいけない列があります。全体チャネル、つまり同時に通話できる本数です。10IDパックには10チャネル、20IDパックには20チャネルが含まれますが、30IDパックに含まれるのも20チャネルのままです。31ID以降を追加しても、含まれるチャネルは増えません。
これは在宅勤務では効きます。全員が別々の場所にいるため、同じ時間帯に複数の通話が並行しやすくなるからです。IDだけ増やして同時通話が足りなくなった場合は、全体チャネル追加利用料(10チャネルごと5,500円)が別に必要になります。「人数」と「同時に鳴る本数」は別の課金対象だと理解してください。費用全体の水準感はビジネスフォンの費用相場、工事費の内訳はビジネスフォンの工事費で扱っています。
主装置を残すなら、必要なのは「ユニット・ライセンス・アプリ」の3点
既存の主装置を活かす増設型は、スマホにアプリを入れれば動くものではありません。主装置側に専用のユニットを挿し、人数分のライセンスを買い、そのうえで端末にアプリを入れる、という3段構えになります。ここを理解していないと、見積書に並ぶ品番の意味がわかりません。
ナカヨは、主装置NYC-Xでスマホ内線「どこでもでんわ」を使う場合に必要なものを、品番の単位で公開しています(NYC-X どこでもでんわ|ナカヨ)。
| 区分 | 品番 | 内容 | 数量の増え方 |
|---|---|---|---|
| 主装置側のユニット | ET-VOIPUD-XiS | どこでもでんわ対応VoIP内線ユニット(タイプS用) | 主装置ごとに必要 |
| 主装置側のユニット | ET-VOIPUD-XiL | どこでもでんわ対応VoIP内線ユニット(タイプL用) | 主装置ごとに必要 |
| ライセンス | ET-□MFTLI-W(□は1/4/8/16) | 多機能電話アプリライセンス | 端末ごとに必要(1/4/8/16の単位で購入) |
| 端末アプリ | ET-MFTAPA2 | 多機能電話アプリケーション2(Android用) | Google Playから無償ダウンロード |
| 端末アプリ | ET-MFTAPI2 | 多機能電話アプリケーション2(iOS用) | App Storeから無償ダウンロード |
費用が人数に連動するのはライセンスです。アプリ自体は無償でも、ナカヨは「※端末ごとにライセンスが必要」と明記しています。ライセンスが1/4/8/16という単位で用意されているため、在宅勤務者が5人なら4本の単位を超えて8本の単位を買う、といった段差もここに生じます。見積書では本体価格ではなく、ライセンスの単価と数量を確認してください。見積書の読み方そのものはビジネスフォンの見積書チェックリストに、費目ごとの交渉余地はビジネスフォンの見積もり交渉と値引きにまとめています。
メーカーごとの機種展開と現行ラインナップは、ナカヨ ビジネスフォンの特徴と機種、NTT東日本・西日本のビジネスフォンで個別に整理しています。サクサも主装置PLATIAⅢについて「スマートフォンと連携させて、オフィスやテレワーク環境でも、自分のデスクの電話感覚で操作ができます。」と説明しており(PLATIAⅢ|サクサ)、増設型に対応するメーカーは1社ではありません。
導入後に効いてくる、4つの運用条件
契約前の比較では見えず、運用を始めてから不満になる条件が4つあります。いずれも各社が公表しているものです。
① 音声品質は「担保されない」と書かれている
NTT東日本はひかりクラウドPBXについて、「本サービスは音声品質を担保するサービスではありません。端末やアプリケーションの状態により音声品質が劣化するケースもございます。」と記載しています。ナカヨも「モバイルネットワークの混雑等により通信及び通話品質が安定しない場合があります。」と注記しています。在宅勤務者の自宅回線やモバイル回線は会社が管理できないため、この条件は実際の運用に直結します。品質の苦情が出たときに責任の分かれ目がどこにあるかを、導入前に決めておいてください。
② 対応キャリアとデータ量の条件がある
ナカヨはどこでもでんわの接続可能数を最大100台としたうえで、「NTT docomo/au/SoftBank回線に限る(MVNOは非推奨)」と明記しています。さらに「どこでもでんわは、携帯電話網のパケット通信を利用したサービスです。大容量のデータプランをおすすめします。」とも書いています。私物端末を使うBYOD運用を前提にしている会社は、社員の契約キャリアとデータ量まで条件になるという点を織り込む必要があります。
③ 在宅の端末側からは転送できない場合がある
NTT東日本はαZXⅡのスマートフォン連携について、「Microsoft Teams・オフィスリンクモードにおける転送操作は、事務所設置の電話機からのみ利用可能です。スマートフォン内線端末側から他の内線端末に転送ができません。」と注記しています。在宅勤務の目的が「取り次ぎのための出社をなくすこと」なら、この条件は目的そのものに関わります。取り次ぎが業務の中心にある部署では、モードの選定を含めて事前に確認してください。
④ 利用期間とモードに制限がある
同じくαZXⅡのスマートフォン連携には、「標準の利用期間は4年です。利用年数を追加する場合は別途ライセンスが必要です。」「1枚のユニットオプションあたり1モードの利用が可能です。」という記載があります。連携方式はMicrosoft Teams/AGEphone Cloud/オフィスリンクの3つですが、1枚のユニットで同時に複数のモードを使うことはできません。部署ごとに違う方式を使いたい場合は、ユニットの枚数から設計が変わります。
在宅向けのスマホ内線化が向かないケース
すべての会社に勧められる仕組みではありません。次のいずれかに当てはまる場合は、導入を急がないほうが結果的に安く済みます。
- 在宅勤務の制度自体が試行段階の場合:どこでもホンは最低利用期間を1年とし、1年未満の解約に中途解約金10,000円(非課税)と、機器一式未返却の場合の55,000円(税込)を公表しています。数か月で運用を見直す可能性があるなら、この条件を先に読んでください。解約時の確認手順はビジネスフォンの解約と違約金で整理しています
- 緊急通報装置や火災通報装置を電話設備に載せている場合:ひかりクラウドPBXは、これらの装置を接続する回線として利用できません。設備側の設計を変えずに電話だけ載せ替える、という進め方が成立しない場合があります
- 主装置のリース・保守契約が始まったばかりの場合:クラウドへ移行しても、リース料の支払いは残ります。移行の適期は契約の残り期間から逆算するほうが確実です
- 在宅勤務者が数人で、取り次ぎが1日数件の場合:既存機の転送機能や留守番機能で足りることがあります。月額が発生する仕組みを増やす前に、いま鳴っている件数を数えてください
- 私物の格安SIMを前提にしている場合:ナカヨのようにMVNOを非推奨と明記しているサービスがあります。社給端末の配布まで含めた費用で比較し直す必要があります
あなたの状況で、どこに相談するか
ここまでの条件を踏まえると、相談先は状況でおおむね決まります。以下の料金・特徴は、当サイトが各社の公式サイトで確認した値です。
- 主装置がまだ現役で、増設型とクラウド型のどちらが得か判断できない場合:構成の前提が固まっていない段階なので、複数社の提案を並べて比べるところから始めるのが確実です。EMEAO!は審査を通過した業者のみを紹介する一括見積もりサービスで、登録不要・完全無料で比較できます
- 主装置も電話機も買わずに、初期費用を抑えて始めたい場合:OFFICE PHONE(ベルテクノス)は月額基本料3,400円〜、初期費用24,800円(キャンペーン中は無料)+ライセンス料98円〜/1端末というクラウドPBXです(OFFICE PHONE)。PBX装置と電話機の購入費用がかからない構成です
- いまの電話番号と既存の回線を変えたくない場合:どこでもホン(フォーバルテレコム)は、今の電話番号のまま会社電話をスマホ化する月額サブスク型のサービスで、機器導入数は39,268台(2026年6月現在・公式サイト記載)です。ただし前述のとおりスマートフォンは10台までという上限があります
- NTT東日本・西日本のサービスで揃えたい場合:ひかりクラウドPBXは10IDパック月額11,000円(税込)からで、31ID以降は1IDあたり660円です。フレッツ 光ネクストの契約が前提になります
業者ごとの評価と選定の考え方はビジネスフォン業者ランキング、おすすめの整理はビジネスフォンのおすすめで扱っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 在宅勤務でスマホを内線化すると、110番や119番はかけられなくなりますか?
A. 会社の電話番号を使う経路からは、かけられない場合があります。NTT東日本はひかりクラウドPBXについて「本サービスをご利用いただく場合、「ひかり電話オフィスA(エース)」を利用して緊急通報番号(110/119/118)に接続することができません。携帯電話番号等から発信してください。」と明記しています。SmartNetcommunity αZXⅡのスマートフォン連携でも「スマートフォン連携を経由して緊急通話番号(110、118、119)への発信はできません」と記載されています。スマートフォン自体の電話機能(携帯電話番号)からの発信は制限されませんので、在宅勤務者には「緊急通報は会社アプリではなく端末標準の電話からかける」と周知してください。あわせて、火災通報装置や非常通報装置を接続する回線としても利用できない旨がひかりクラウドPBXには記載されています。
Q. 私物のスマホや格安SIMでも、会社の電話を内線で受けられますか?
A. サービスによって条件が違います。ナカヨはNYC Biz Serverの仕様ページで、スマホ内線「どこでもでんわ」の接続可能数を最大100台としたうえで、備考に「NTT docomo/au/SoftBank回線に限る(MVNOは非推奨)」と明記しています。つまり格安SIM(MVNO)は推奨対象外です。同社はNYC-Xの説明でも「どこでもでんわは、携帯電話網のパケット通信を利用したサービスです。大容量のデータプランをおすすめします。」「モバイルネットワークの混雑等により通信及び通話品質が安定しない場合があります。」と記載しています。私物端末を使う前提で検討するなら、対応キャリアの条件と必要なデータ量を、機能の可否より先に確認してください。
Q. 在宅勤務者が増えたとき、クラウドPBXの料金はどこで跳ね上がりますか?
A. パックの境目です。NTT東日本のひかりクラウドPBXの公開料金(税込)は、10IDパック11,000円、20IDパック20,900円、30IDパック27,500円、31ID以降の追加IDが1IDあたり660円です。この料金表から計算すると、10人から11人に増えたときは20IDパックへの移行になり月額が9,900円増えますが、30人から31人に増えたときは追加IDの660円で済みます。同じ「1人増」でも増分は15倍違います。さらに、パックに含まれる全体チャネルは10IDパックで10チャネル、20IDパックと30IDパックはいずれも20チャネルです。IDを31以降に足しても同時に通話できる本数は増えないため、同時通話が足りない場合は全体チャネル追加利用料(10チャネルごと5,500円)が別途必要になります。
Q. 今ある主装置を残したまま、在宅勤務者のスマホだけ内線にできますか?
A. 対応機種であればできますが、アプリを入れるだけでは動きません。ナカヨはNYC-Xでスマホ内線「どこでもでんわ」を使う場合に必要なものとして、VoIP内線ユニット(タイプS用のET-VOIPUD-XiS、タイプL用のET-VOIPUD-XiL)、多機能電話アプリライセンス(ET-□MFTLI-W、□は1/4/8/16)、スマートフォン用アプリ(Android用ET-MFTAPA2、iOS用ET-MFTAPI2)を挙げています。アプリ自体はGoogle PlayとApp Storeから無償でダウンロードできますが、ライセンスは端末ごとに必要です。つまり主装置側のユニット、人数分のライセンス、端末アプリの3点がそろって初めて使えます。在宅勤務者を1人増やすたびにライセンスが1つ増える構造なので、見積もりでは本体価格だけでなくライセンスの単価と数量を確認してください。
Q. 在宅勤務向けのスマホ内線サービスは、すぐ解約できますか?
A. 最低利用期間を公表しているサービスがあります。フォーバルテレコムのどこでもホンは、よくある質問で最低利用期間を1年とし、「1年未満利用での解約時、中途解約金として10,000円(非課税)(機器一式未返却の場合は、別途55,000円(税込))がかかります。」と公表しています。在宅勤務の制度自体が試行段階で、数か月で運用を見直す可能性があるなら、機能よりこの条件を先に確認してください。なお、この金額はどこでもホンが自社サービスについて公表しているものであり、業界の相場を示すものではありません。他社の中途解約金は契約書の条項で個別に確認する必要があります。
在宅の電話を決める前に、今日そろえる4つの数字
相談に行く前に、自社だけで埋められる情報があります。この4つがないまま各社に問い合わせると、前提の確認だけで往復が増えます。
- 在宅で会社の番号を使う人数:これがそのままID数やライセンス数の土台になります。パックの境目(10・20・30)のどちら側にいるかで、月額の水準が変わります
- 同時に鳴っている本数:人数とは別の課金対象です。代表番号への着信が重なる時間帯の実績を、いまの主装置の履歴から拾ってください
- 主装置の型番と導入年月、リース・保守契約の残り期間:増設型が選べるかどうかと、移行の適期がここで決まります
- 在宅勤務者の端末の種類とキャリア:私物か社給か、MVNOを使っている人が何人いるかまで数えます。対応キャリアの条件で選択肢が絞られるためです
そのうえで複数社に相談するとき、同じ前提を1社ずつ電話で説明して回ると、説明の粒度が社ごとにずれて、比較できない提案が届きます。条件を1回入力すれば複数社に同じ内容が伝わる一括見積もりサービスなら、この最初のずれを防げます。
