CRM・SFA連携できるクラウドPBX|連携先の名前はどこにも無い

※本ページにはプロモーションが含まれています
顧客管理ソフトを入れたので、電話も同じ画面で扱えるようにしたい――そう考えて販売店に問い合わせると、返ってくる答えはどこも似た形になります。ところがその答えを、メーカーの公開ページで裏付けようとすると手が止まります。連携先のソフト名が、そもそもどこにも書かれていないからです。
主装置とクラウドPBX 7製品の公開ページを実際に取得したところ、連携できるCRM・SFAの製品名を挙げている製品は1つもありませんでした。この記事では、その実測結果をまず表で示します。そのうえで、製品名が出てこない以上、何を見て判断すればよいのかを整理します。判断材料になるのは、連携アプリを誰が作っているか、顧客のデータを何件持てるか、応対の履歴が何件で消えるかの3つです。各社の数値はすべて公開ページからの引用で、そこから先の計算は前提を明記したうえで当サイトで行っています。
先に用語を3つ確認します。CRMは顧客の情報と応対の履歴を蓄えるソフト、SFAは営業の商談状況を管理するソフトを指します。CTIは電話とパソコンを繋ぐ仕組みの呼び名で、着信と同時に顧客の画面を開く役目を担います。つまり「CRMと連携する」と言うとき、実際に間に入るのはCTIです。主装置は外線と内線をつなぐ交換機で、オフィスに置かれる箱を指します。主装置を置く方式と置かない方式の違いはビジネスフォンとクラウドPBXの比較で扱っています。ここでは連携という1点に絞ります。
7製品を実測して、CRM・SFAの製品名は1件も出てこなかった
2026年8月29日に、主装置4製品とクラウドPBX・スマホ内線サービス3つの公開ページを取得し、連携に関する記載を数えました。数えたのは、CTIという語、顧客情報という語、そして連携先として挙げられている具体的なソフト名です。
| 製品(確認したページ) | CTIの記載 | 連携先のCRM・SFA製品名 | 顧客データを持てる件数 | 応対履歴の件数 |
|---|---|---|---|---|
| サクサ PLATIAⅢ(製品ページ) | 「CTI連携」「CTIアプリケーション システムリサーチ製」 | 記載なし | 電話帳機能:最大10,000件まで登録可能 | 発着信履歴:最大10,000件まで記録 |
| ナカヨ NYC Biz Server(仕様ページ) | 本文に「CTI」0件 | 記載なし | 記載を確認できず | 最大300,000件/システム(超過時は古いものから消去) |
| ナカヨ NYC-X(仕様ページ) | 本文に「CTI」0件 | 記載なし | 記載を確認できず | 記載を確認できず |
| NTT東日本 SmartNetcommunity αZX typeS,M(構成・仕様ページ) | 本文に「CTI」「顧客」ともに0件 | 記載なし | 記載を確認できず | 記載を確認できず |
| NTT東日本 ひかりクラウドPBX(サービスページ・料金ページ) | 本文に「CTI」「顧客」ともに0件 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| OFFICE PHONE(OFFICE110 クラウドPBXページ) | 「CTI(顧客情報表示)」=着信時、PC画面に自動で顧客情報や対応履歴を表示 | 記載なし | 共通電話帳の記載はあるが件数は確認できず | 記載を確認できず |
| どこでもホン(公式トップページ) | 本文に「CTI」「顧客」「連携」いずれも0件 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
7製品のうち、CTIという語が本文に出てくるのはサクサ PLATIAⅢ とOFFICE PHONEの2つだけで、連携先のソフト名はどちらにもありません。残りの5製品は、CTIという語自体が本文に出てきません。ひかりクラウドPBXのサービスページと同じく料金ページは、グローバルナビゲーションを除いた本文にCTIも顧客も1件も現れず、料金表のオプション欄にも連携にあたる項目は並んでいません。
この表の読み方には注意が必要です。「記載なし」は「連携できない」という意味ではありません。販売店が別のCTIソフトを組み合わせて提供している場合があり、公開ページに書かないだけということは十分あり得ます。この表が言えるのは、連携の可否をカタログだけで判断することは、今回確認した7製品のいずれについてもできないということです。メーカーごとの全体像はビジネスフォンのメーカー比較で扱っています。

連携部分を作っているのは、主装置のメーカーとは限らない
製品名が出てこない代わりに、1社だけ「誰が作ったソフトか」を書いています。サクサはPLATIAⅢの製品ページの連携機能の欄で、見出しに「CTI連携」、その下に「CTIアプリケーション システムリサーチ製」と提供元を明記し、機能を「着信と同時に顧客情報がパソコンに自動で表示されるので、応答しながら顧客情報を確認することができます。また、パソコンで顧客情報を確認してから発信することもできます。」と説明しています。
ここで重要なのは、連携を担うアプリケーションが主装置メーカーの製品ではなく、別の会社の製品だと書かれている点です。今回確認した7製品のうち、連携アプリの提供元を書いているのはこの1製品だけでした。提供元が別会社だと分かると、見積書の読み方が変わります。
- 費目が分かれる:主装置本体の金額と、連携アプリのライセンス料が別の行になります。合計だけを見て他社と比べると、片方に連携が入っていない見積書と並べてしまいます
- 保守の窓口が分かれる可能性がある:主装置が動いていても連携アプリ側で表示が止まることがあり、そのときどちらに連絡するかを先に決めておく必要があります
- バージョンの対応関係が生まれる:顧客管理ソフトを入れ替えたときに、連携アプリ側が対応しているかという確認先が増えます
連携アプリの提供元を書いていない残り6製品についても、同じ構造になっていないとは限りません。「主装置に標準で入っているのか、別のソフトを足すのか」は、見積書を受け取る前に必ず確認しておく項目です。費目の割り方そのものはビジネスフォンの見積書チェックリストで扱っています。機種ごとの詳細はサクサのビジネスフォンとナカヨのビジネスフォンにまとめています。
CTIを入れない場合、画面に出せるのは全角16文字
連携アプリを足さずに、電話機の画面だけで顧客の情報を出す方法もあります。ただし枠は決まっています。サクサは同じPLATIAⅢの製品ページのメッセージディスプレイの欄で、「電話帳に発信者の名前とは別にメモを全角16文字まで登録できます。着信時にメモが表示されるので、簡易CTIとしても有効活用できます。」と説明しています。名前は別枠なので、この16文字はまるごと応対の情報に使えます。
では、全角16文字に何が入るのか。実際に数えてみます。
| メモ欄に書きたい内容 | 全角の文字数 | 16文字に収まるか |
|---|---|---|
| クレーム対応中 | 7文字 | 収まる(残り9文字) |
| 請求書の再発行を依頼中 | 11文字 | 収まる(残り5文字) |
| 担当は営業二課の田中さん | 12文字 | 収まる(残り4文字) |
| 三月十日に田中が見積提出、返答待ち | 17文字 | 収まらない(1文字超過) |
一言の注意書きなら入り、「いつ・誰が・何をした」まで書くと入りません。上の4行目は1文字だけ超えています。日付と担当者と状況を同時に持たせようとすると、この枠はちょうど足りなくなる大きさです。
ここから導ける判断は単純です。要件が「危ない相手を見分けたい」なら16文字で足ります。要件が「前回の話の続きから始めたい」なら16文字では足りず、CTIか別画面が必要になります。どちらなのかを先に決めておくと、連携アプリを入れるかどうかの議論が短く済みます。なお同じページには、電話帳機能を「最大10,000件まで登録可能」と記載していますが、それがシステム全体の値か1台あたりの値かは書かれていません。ここは商談で確認する項目です。
連携より先に効くのは、履歴が何件で消えるか
顧客管理ソフトに転記するつもりの応対履歴が、転記する前に電話側から消えていることがあります。履歴の保持件数には上限があり、その値はメーカーによって大きく違います。
サクサはPLATIAⅢの製品ページで「発着信履歴:最大10,000件まで記録」と書いています。一方ナカヨはNYC Biz Serverの仕様ページで、発着信履歴の記録件数を「最大300,000件/システム」とし、備考に「最大件数を超えると、留守録用件メッセージのある履歴を除き、古いものから消去」と満杯になったときの挙動まで書いています。公表値どうしで30倍の差があり、満杯後の挙動を書いているのは今回の7製品のうちナカヨの1製品だけでした。
この2つの数値を、1日あたりの発着信件数で割ると、古い履歴が押し出されるまでの営業日数が出ます。前提は「1日あたりの件数を一定と置くこと」と「1か月を20営業日として換算すること」の2点です。
| 1日あたりの発着信件数 | 10,000件の上限に達するまで | 300,000件の上限に達するまで |
|---|---|---|
| 50件 | 200営業日(約10か月) | 6,000営業日(約25年) |
| 100件 | 100営業日(約5か月) | 3,000営業日(約12年6か月) |
| 200件 | 50営業日(約2か月半) | 1,500営業日(約6年3か月) |
| 400件 | 25営業日(約1か月) | 750営業日(約3年) |
| 800件 | 12.5営業日(約2週間半) | 375営業日(約1年7か月) |
1日400件を受ける窓口なら、10,000件の枠はおよそ1か月で一周します。月末にまとめて履歴を見返す運用にしていると、月初の分がすでに押し出されている計算です。逆に300,000件の枠であれば、同じ件数でも3年以上残ります。連携アプリを入れるかどうかより前に、この数字が要件に足りているかを見たほうが、判断は早く済みます。
なお、履歴の件数だけでは足りない場面もあります。誰が何を話したかまで残したい場合は録音が必要で、録音には別の上限があります。その計算は通話録音機能のあるビジネスフォンにまとめました。着信を部門ごとに振り分ける仕組みはIVR機能付きビジネスフォン、席数とチャネル数の関係はコールセンター向けクラウドPBXで扱っています。
「クラウドPBXなら連携は標準」は公表値では確かめられない
クラウド型にすれば顧客管理と自動で繋がる、という理解は、公開ページを見るかぎり裏付けが取れません。今回確認したクラウド型・スマホ内線型の3つは、記載の状況がはっきり分かれました。
- ひかりクラウドPBX:サービスページ・料金ページとも、本文にCTIも顧客も0件。料金表のオプション欄はチャネル追加と機器レンタル料だけで、連携にあたる項目はありません
- どこでもホン:公式トップページの本文に、CTI・顧客・連携のいずれも0件です
- OFFICE PHONE:OFFICE110のクラウドPBXページで「CTI(顧客情報表示)」を掲げ、「着信時、PC画面に自動で顧客情報や対応履歴を表示する機能です。コールセンターなど迅速な応対が求められるシーンに有効です。」と説明しています。ただし連携先のソフト名も、表示できる件数も、同じページにはありません
当サイトが公開ページの語数を数えたのは、これが3回目です。ひかりクラウドPBXは、自動音声応答でも通話録音でも、そして今回の顧客情報でも、該当する語が本文に0件でした。これは機能がないという意味ではなく、公表されている情報だけでは判断できないという意味です。オンプレミス型の主装置についても、NTT東日本がSmartNetcommunity αZX typeS,M の構成・仕様ページで公表しているのは回線と端末の収容数が中心で、CTIや顧客という語は本文にありません。同社が連携先として名前を出しているのはスマートフォン側のサービスで、その内容はNTT東日本・西日本のビジネスフォンにまとめています。在宅勤務で使う場合の条件は在宅勤務対応クラウドPBXで扱っています。
見積もりの前に、この6つをそのまま聞く
公表値で判断できない以上、聞くしかありません。下の質問文はそのまま送って使えます。
| 確認したいこと | そのまま使える質問文 | 空欄のまま進めると起きること |
|---|---|---|
| 連携先のソフト名 | 「当社が使っている顧客管理ソフトの名前とバージョンを伝えます。連携の実績がある組み合わせか、名指しで回答してください」 | 導入後に「その製品は対象外」と分かる |
| 連携アプリの提供元 | 「連携を担うソフトは主装置メーカーの製品ですか、別会社の製品ですか。会社名を教えてください」 | 障害時にどちらへ連絡するか決まっていない |
| 費目の内訳 | 「連携に必要なライセンス料と、その課金の単位(1台ごとか、1システムごとか)を分けて記載してください」 | 連携を含む見積書と含まない見積書を並べてしまう |
| 表示できる範囲 | 「着信時に画面へ出せる項目を教えてください。氏名だけですか、応対履歴も出ますか」 | 名前しか出ず、結局は別画面を開くことになる |
| 履歴の保持件数と満杯時の挙動 | 「発着信履歴は何件まで残りますか。上限を超えたとき、古いものから消えますか」 | 転記する前に履歴が押し出される |
| データの取り出し | 「発着信履歴を書き出す方法と、書き出せるファイル形式を教えてください」 | 電話側に溜まるだけで顧客管理ソフトへ渡せない |
この6つが埋まった見積書どうしは、金額を並べて比べられます。埋まっていない見積書は、連携という同じ言葉で違うものを見積もっています。交渉に入るのはそのあとです。交渉余地がどこにあるかはビジネスフォンの見積もり交渉で扱っています。
条件を固めてから、同じ内容で複数社に投げる
連携は、業者によって扱える組み合わせが分かれます。相談先の性格を先に把握しておくと、往復の回数が減ります。
| 相談先 | 向いている状況 |
|---|---|
| EMEAO!(一括見積もり) | 使っている顧客管理ソフトは決まっているが、どの業者が対応できるか分からず、審査を通過した業者から選んでもらいたい |
| OFFICE110 | クラウドPBX側にCTIを含む構成があり、販売・工事・保守までを1社で完結させたい |
| NTT東日本 | 回線から一体で契約したく、既存の主装置に何を足せば連携できるかを含めて確認したい |
各社の対応範囲の違いはビジネスフォン業者の比較、評価の並びはビジネスフォン業者ランキングで確認できます。
条件を1回入力すれば複数社に同じ内容が伝わる一括見積もりサービスなら、連携の前提がずれたまま金額だけ並ぶ事態を最初から防げます。
よくある質問(FAQ)
Q. クラウドPBXなら、CRMとの連携は標準で付いてきますか?
A. 公表されている情報だけでは判断できません。2026年8月29日に、NTT東日本のひかりクラウドPBXのサービスページと料金ページを取得して確認したところ、本文にCTIという語も顧客情報という語も1件もありませんでした。どこでもホンの公式トップページも同じく0件です。一方でOFFICE110はクラウドPBX「OFFICE PHONE」のページで、CTI(顧客情報表示)を、着信時、PC画面に自動で顧客情報や対応履歴を表示する機能です、と説明しています。記載がないことは機能がないことを意味しませんが、公表値だけで連携の可否を判断できるサービスは、今回確認した範囲では見つかりませんでした。
Q. どのCRM・SFAと連携できるかは、カタログを見れば分かりますか?
A. 今回確認した範囲では分かりませんでした。主装置4製品とクラウドPBX・スマホ内線サービス3つ、あわせて7製品の公開ページを取得して確認したところ、連携先として具体的なCRM・SFAの製品名を挙げている製品は1つもありませんでした。サクサはPLATIAⅢの製品ページでCTI連携の欄にCTIアプリケーション システムリサーチ製と提供元を書いていますが、その先でどの顧客管理ソフトに繋がるかは書かれていません。連携先の製品名は、商談で確認する項目だと考えてください。
Q. CTIを入れなくても、電話機の画面に顧客の情報を出せますか?
A. 限られた文字数であれば出せる機種があります。サクサはPLATIAⅢの製品ページのメッセージディスプレイの欄で、電話帳に発信者の名前とは別にメモを全角16文字まで登録できます、着信時にメモが表示されるので、簡易CTIとしても有効活用できます、と説明しています。全角16文字は、クレーム対応中のような一言なら収まりますが、いつ誰が何をしたかまで書くと収まりません。応対履歴を画面で見ながら話すことが要件なら、この枠では足りないと考えたほうが安全です。
Q. 連携より先に確認しておくべき数値はありますか?
A. 発着信履歴を何件まで残せるかです。サクサはPLATIAⅢの製品ページで発着信履歴を最大10,000件まで記録と書いています。ナカヨはNYC Biz Serverの仕様ページで発着信履歴の記録件数を最大300,000件/システムとし、最大件数を超えると、留守録用件メッセージのある履歴を除き、古いものから消去、と満杯になったときの挙動まで公表しています。公表値どうしで30倍の差があり、履歴が消える前に顧客管理側へ記録を移せるかどうかが、連携の設計を左右します。
Q. 連携にかかる費用は、公開されている情報で分かりますか?
A. 今回確認した7製品の公開ページには、連携にかかる料金の記載がありませんでした。NTT東日本のひかりクラウドPBXの料金ページでオプションとして並んでいるのは、全体チャネル追加利用料が10チャネルごと5,500円、VoIP-GWチャネル追加利用料が1チャネルごと550円、レンタルIP電話機が1装置ごと935円、LAN給電装置が1ポート用220円・8ポート用1,650円の5行(いずれも税込)だけで、連携やCTIにあたる項目はありません。サクサはPLATIAⅢの製品ページで連携アプリの提供元を書いていますが、金額は書かれていません。連携の費用は、見積もりでしか分からない項目だと考えてください。
相談する前に、この4つを決めておく
新しく入れる場合も、既存の主装置に足す場合も、揃える項目は同じです。
- 顧客管理ソフトの名前とバージョンを書き出す:連携の可否は、この組み合わせでしか答えが出ません。名前を出さずに「CRM連携できますか」と聞くかぎり、返ってくるのは「できます」だけです
- 画面に出したい項目を3つまでに絞る:氏名だけでよいのか、応対履歴まで要るのかで、必要な仕組みが変わります。3つに絞れないうちは要件が固まっていません
- 1日あたりの発着信件数を数える:1週間ぶんを数えて平均を出します。この数字が、履歴の上限に達するまでの日数を決めます
- 履歴を残したい期間を決める:1か月なのか、3年なのかで、選べる製品が変わります。ここが空欄だと、上限の違う見積書が同じ顔で並びます
この4つが埋まっていれば、各社から返ってくる構成が同じ土俵に乗ります。逆にここが空欄のまま「CRMと連携したい」とだけ伝えると、連携という言葉だけが一致した見積書が届きます。
